material of SolarDesigner

Article

bind_free035.jpg材料を変えて比較をしてみましょう。

断熱材を配置すると、冬の熱損失、夏の熱取得が大幅に削減されます。
また、室内表面温度が冬季は高く、夏季は低く保たれるので、熱的に快適です。
冬季は表面温度が高くなるので、結露しにくくなります。
熱容量の大きな壁体、たとえば、コンクリートなどを室内側に配置すると、蓄熱体として利用でき、室温の変動が小さくなります。
冬場において、断熱材を十分に設定していても、蓄熱体の熱容量が大きければ、低温で安定してしまい、少なければ、夜間の室温低下と日中オーバーヒートしてしまいます。
このように、材料、厚さ、日射吸収率など適切に考慮する必要があります。

base1_fig.gif

基本モデル

石膏ボード  12mm
コンクリート 180mm
天井
石膏ボード 12mm
コンクリート 180mm
合板     12mm
モルタル  30mm
コンクリート 180mm

ケース1 (室外側に断熱材)

コンクリート180mm
押出発泡ポリスチレンフォーム45mm
天井
コンクリート180mm
押出発泡ポリスチレンフォーム45mm
合板12mm
コンクリート180mm
押出発泡ポリスチレンフォーム45mm

壁、天井、床の材料の並びは室内側から室外側の順です。

結果の比較

base1_2.gif基本モデル --- 2月

断熱材なし(冬)

  • 最高室温 15.76℃
  • 平均室温  9.39℃
  • 最低室温  5.81℃

case1_2.gifケース1 --- 2月

室外側に断熱材を配置(冬)

  • 最高室温 16.62℃
  • 平均室温 12.35℃
  • 最低室温 10.18℃

base1_8.gif基本モデル --- 8月

断熱材なし(夏)

  • 最高室温 33.84℃
  • 平均室温 29.34℃
  • 最低室温 26.49℃

case1_8.gifケース1 --- 8月

室外側に断熱材を配置(夏)

  • 最高室温 33.87℃
  • 平均室温 31.04℃
  • 最低室温 29.46℃

緑の線:室温、黒の線:外気温

計算結果

冬の場合を比較すると、室外側に断熱材を配置した [ ケース1 ] のほうが、温度変動が小さくなっていることがわかります。また、平均室温も上がっています。
夏の場合を比較すると、温度変動は小さくなっていますが、高温で安定しています。このモデルのように、集熱面(南側)に大きな開口部を設けた場合、日よけや換気などの対策をする必要があります。

次のページでは、断熱材を配置した [ ケース1 ] を用いて、夜間換気を検討しています。

共通計算条件

建物形状
幅12(m), 奥行き6(m), 高さ2.6(m), 方位0(°)
開口部
南 幅8.0(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
東 幅6.5(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
西 幅6.5(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
北 幅6.5(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
日射吸収率
[室内側] 0.4, [室外側] 0.6 [天井室外側] 0.2
ガラス
熱貫流率5.16(kcal/hm2℃), 日射透過率 0.856, 日射透過係数100(%)
気象データ
東京 緯度 35.7(°), 経度139.8(°)