地域をかえて比較をしてみましょう。
関東地方と九州地方を比べると、冬は関東地方のほうが寒く、夏は九州地方のほうが暑いという印象があるかもしれません。
ここでは、東京と福岡県の気象データを用いてシミュレーションしています。
同じ県であっても、地形などによって、気象条件は異なります。
地域の気象条件を用いて検討することが必要があります。
ケース1(室外側に断熱材)
地域 |
関東地方 東京都 東京
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ケース7(室外側に断熱材)
地域 |
九州地方 福岡県 太宰府
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結果の比較
ケース1 --- 2月
東京都(冬)
- 最高室温 16.62℃
- 平均室温 12.35℃
- 最低室温 10.18℃
ケース7 --- 2月
福岡県太宰府市(冬)
- 最高室温 14.37℃
- 平均室温 10.51℃
- 最低室温 8.43℃
ケース1 --- 8月
東京都(夏)
- 最高室温 31.67℃
- 平均室温 28.84℃
- 最低室温 25.14℃
ケース7 --- 8月
福岡県太宰府市(夏)
- 最高室温 32.70℃
- 平均室温 30.09℃
- 最低室温 28.41℃
緑の線:室温、黒の線:外気温
計算結果
冬の場合を比較すると、福岡県太宰府市のケース7が、室温が低いことが分かります。
意外かもしれませんが、外気温も氷点下になる日があることが分かります。
夏の場合もまた、福岡県太宰府市のケース7のほうが、室温が全体的に高いことがわかります。
東京よりも南に位置する太宰府市のほうが温暖な印象があるかもしれませんが、気象条件的には暑くて寒い場所であることが分かります。
ここでは分かりやすい場所で比較しましたが、同じ地域でも、このように条件が異なる場合があります。気象条件を設計に反映させることが必要です。
計算条件
建物形状 |
幅12(m), 奥行き6(m), 高さ2.6(m), 方位0(°)
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開口部 |
南 幅8.0(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
東 幅6.5(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
西 幅6.5(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
北 幅6.5(m), 高さ2.3(m), 腰壁高さ0.0(m), 左からの位置0.25(m)
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日射吸収率 |
[室内側] 0.4, [室外側] 0.6 [天井室外側] 0.2
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壁 |
コンクリート180mm
押出発泡ポリスチレンフォーム45mm
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天井 |
コンクリート180mm
押出発泡ポリスチレンフォーム45mm
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床 |
合板12mm
コンクリート180mm
押出発泡ポリスチレンフォーム45mm
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ガラス |
熱貫流率5.16(kcal/hm2℃), 日射透過率 0.856, 日射透過係数100(%)
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換気回数 |
0.5回/h
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壁、天井、床の材料の並びは室内側、室外側の順です。